テレビやパソコンが目や身体に、どのように影響するのか。眼科的な影響と心理 的な影響に分けて考えることができます。

眼科的な影響

 
右は眼球の断面で、 外の景色が網膜上にハッキリ映し出されるためには、 角膜と水晶体の凸レンズとしての屈折力による焦点距離と、実際の網膜までの距離が一致 していることです。

虫メガネで太陽光線を集めるとき、紙とレンズの距離が遠すぎても近すぎても、 うまく光線が集中せずちょうど焦点距離の時に一番光りが集中したことを覚えてい ますか? 

目の中のレンズにも、それなりの焦点距離があり、その焦点距離と、網 膜までの距離が一致したときにだけ、ハッキリとした像が網膜に結像することにな ります。

視力の良い目では、網膜までの距離とレンズの焦点距離が正確に一致しており、 遠くの景色が網膜の上に投影される際、ハッキリとピントが合っています。

これに対し、網膜の位置がレンズの焦点とズレている目は、遠視・近視・乱視など呼ばれ、 メガネによる補正を行う必要がでてきます。

(遠視は網膜が近すぎて近距離にピントがあい にくく、近視は反対に網膜が遠く、遠距離がぼやける。乱視は眼球の歪み)
テレビや本など近くのものを見る場合にも、 遠距離と同じ屈折力では、ピントが 変わり、ボヤけてしまうので、上の図のように毛様筋という筋肉が働いて、レンズ の屈折力を近距離用に変化させていますが、近距離作業が長時間になると、目の疲 れとして感じられるようです。 また、目に合わないメガネを掛けている場合、薄暗いところで細かい物を見続け ている場合、また年齢が40歳を超えてきたケースなどでは特に疲れやすく感じら れるようです。

実際の眼科診療では、・緑内障などの目の病気がないか?・メガネの度数やかけ 方は適切か?・空調のせいで目の表面が乾いていないか? などを検査して診療に 当たっていますが、最近では超長時間(10時間以上/)のパソコン作業や、反対 に目の疲れに過敏になりすぎる神経質な方も見られるようです。



精神・心理的影響

目や視力への影響とは別に、長時間のテレビやゲームが 心に与える影響についても要注意で、社会経験が不十分で人格発達が未熟な子供の場合、バーチャルなゲー ムにはまりすぎると、心の中に妄想の世界が出来てしまうこともありうる、と昨今 の悲惨な少年犯罪の事例が警告しています。一律にテレビゲームを禁止・制限する のではなく、保護者の方も積極的にかかわりながら、ゲームの内容が子供の心の成 長程度にふさわしいのかどうかチェックしておく必要があります。

また、赤ちゃんにテレビを見させて、親が話し掛けることを怠ると、言葉の発達 が遅れる、との指摘もありますし、アニメの画面を見て、てんかんのような発作が 起き、全国で600人以上の子供が救急車で運ばれた事件(平成9年12月)もあ りました。現代生活に欠かせないテレビやパソコンですが、目や心の健康を考えると、 付き合い方に関心を払うことが必要のようです。